Exhibition

戸沢佳代子 個展 『光と大地』

*終了しました。 

日時:2012年2月10日(金)~2月21日(火)

    11:00~19:00 金曜日は20:00まで 最終日は17:00終了

 

場所:マキイマサルファインアーツ

http://www.makiimasaru.com/ 

 

↓下の写真をクリックすると拡大してご覧いただけます

『光と大地』

 

「光は現実を吹き飛ばすもの、大地は受け入れるもの」前回の個展の時に考えていたことである。地震が起きて光を失った時、まさに現実が押し寄せたような気がした。光が漂うように寄り添うように常に大地とともにあって欲しいという願いが今回のテーマとなった。

 

“Sunlight and Earth”

 

“The sunlight erases the reality and the earth receives it”

This is what I was thinking at my previous exhibition.

After 3.11, we lost light and Reality crowded suddenly.

“It is wished the light is always illuminating us on the earth”

This became the theme of my work.

 

展覧会に向けて

2010年と2011年の夏に友達と九十九里浜に海水浴に行きました。

予想していたものの、あまりの人出の減少に驚きました。

その後、前年と同じように、更に北上したところにある海水浴場に向かっている時、記憶より狭くなっている道を通り違和感を覚えていたのですが、気がついたらそこは、テレビでも報道されていた被災地と言われるところでした。海の家や更衣室のある建物は閉鎖されており、テトラポットも手前に流されていて、実際に津波の爪痕を初めて目の当たりにしました。

私はまだ津波による大規模な被害を受けたところには行ったことがありません。テレビに映し出されるショッキングな映像は見ていたものの、やはり、自分たちが気軽に遊びに行った海水浴場が去年と変わっていること、それは何とも言えない実感を伴う感情でした。

そして春先に行われた計画停電。真っ暗な家の中、突然消える信号機。

明るすぎることは良いとは思わないけれど、光が全く無い時に感じる不安や怖さ。

今まさに感じる未来への不安。光は私たちに寄り添い、その道をわずかにでも照らしてくれる大切な存在だと改めて思いました。

今回の展示では2010年の海水浴場の写真をベースに描いています。一日も早い復興を祈って。

 

2012.2 戸沢佳代子

戸沢佳代子個展 『光・緑・大地』

*終了しました。

日時:2010年12月10日(金)~23日(木・祝) 

    11:00~19:00, 金曜~20:00, 最終日~17:00

 

場所:マキイマサル・ファインアーツ (浅草橋)

 

展示した作品はこちらをご覧ください。

 

↓下の写真をクリックすると拡大してご覧になれます。

コメント

 

『光・緑・大地』

光は現実を吹き飛ばすもの、大地は受け止めるもの。その大地にはどんな衝撃をも吸収する緑がある。

私にとっての『緑』とは自然の象徴だ。時に植物に、水に、その形を変えて存在する。

大地の上で私たちは動物は、例えば記憶のようにとても頼りなく不確かだ。

 

"Sunlight-Green-Earth"

 

The sunlight erases the reality and the earth receives it.

There is "Green" that absorbs any impact on the earth.

"Green" for me is a symbol of nature. It transforms to plants, water and various things.

We animals are uncertain like the memory on the earth.

 

 

展覧会に向けて

 

この展示は『光・緑・大地』をテーマに、3つのシリーズから成り立ちます。

 

Series of Mongolia

『光・緑・大地』のテーマは昨年私がモンゴルに訪れたときに受けた印象から生まれています。果てしなく広がる大地、そこでの人々の営み、それは不安定な現代にあってとても確かなものに思えました。

近年、モンゴルでも伝統的な遊牧生活から離れる人が増えているそうです。首都ウランバートルではビルが次々に建ち、めまぐるしい変化を続けています。しかし、その華やかな変化の中には多くの問題を抱えているようでした。

私が感じた大地に根ざした遊牧民の姿は力強く、『確かな存在』でした。

 

Series of Picnic

日本の家族のピクニックのシーンを描いたものです。

モンゴルの大地と比べ、その公園の芝は人工的で守られた空間であり、彼らはその守られた空間の中でレジャーを楽しんでいます。陽光の下でその姿は楽しげですが、やわらかく頼りない、そんな印象を描いています。

 

Series of Water

水という流動的なものの中に存在する人間を危うい存在として描いています。

『光』は時として、不の部分を消し去り、実態よりも対象を美しく見せます。

『大地』は世の中のすべての出来事を受け止めます。

『緑』は自然の象徴であり、2つの間にあって、嫌な事も素晴らしい事も包み込み、吸収してくれる存在です。

 

2010.12 戸沢佳代子